ホスピスの費用はいくら?平均的な料金や自己負担額・保険適用まで解説

ホスピスの費用はいくら?平均的な料金や自己負担額・保険適用まで解説

ホスピスを選択肢として考えた際、費用の問題が気になる方も多いのではないでしょうか

 

「月にいくらかかるのか」「自己負担はいくらになるのか」といった疑問に、不安を感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、ホスピスの費用相場から保険適用の仕組み、実際の利用者の費用事例について解説します。

ご本人とご家族にとって納得のいく選択ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。

 

なお、「費用や利用条件に合った施設を具体的に検討したい」という場合には、CPA-Consultingでのご相談も可能です。

これまでの知見をもとに、ご本人やご家族の理想に沿った施設選びをサポートいたします。

\5つの項目を入力するだけ/



ホスピスの費用はどれくらい?まずは全体像を理解しよう



ホスピスの費用感や、費用が左右される要因について、以下の観点から解説していきます


全体像を把握しておくことで、「思っていたより高かった」といった事態を防げるのでぜひ参考にしてみてください。

ホスピスの費用相場(月額・総額の目安)

ホスピスにかかる費用は、施設の種類によって月額5万円程度から30万円以上まで幅があります

区分月額費用(総額)自己負担の目安
緩和ケア病棟約25万〜35万円約5万〜15万円
※高額療養費制度適用後
住宅型ホスピス約15万〜30万円以上同程度
※保険適用は医療部分のみ



病院に併設されている緩和ケア病棟の場合、費用の総額は月額約25万〜35万円が一般的な相場です。

ただし、公的医療保険に加えて「高額療養費制度」を活用することで、実際の自己負担額はおよそ月額5万〜15万円程度に抑えられるケースが多くなります。

厚生労働省の資料によると、70歳以上で一般的な所得区分の方であれば、高額療養費制度の自己負担上限額は月額57,600円です。
※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ

一方、住宅型ホスピスなどの施設型では、医療費に加えて居住費や生活支援サービス費が発生するため、月額15万〜30万円以上になることも珍しくありません

ただし、緩和ケア病棟と比べて自由度が高いというメリットもあるため、病状やご本人の希望に合わせて施設を選ぶことが大切です。

また、実際の自己負担額は、以下のような一人ひとりの条件によって大きく異なります。


  • 年齢や所得区分
  • 病状や医療処置の内容
  • 入居する施設の種類や地域

「自分の場合はいくらかかるのか」を正確に把握したい場合は、専門の相談窓口で個別に確認するのがおすすめです。

希望する条件に合った施設の紹介だけでなく、「実際にどれくらい自己負担がかかるのか」も含めて相談できるため、納得した上で選択しやすくなります。

CPA-Consultingでは、ご希望の条件やご予算に合った施設をご提案しております。まずはお気軽にご相談ください。

\5つの項目の入力で完了/

病院型(緩和ケア病棟)と施設型(住宅型ホスピス)の違い

ホスピスには大きく分けて「病院型(緩和ケア病棟)」と「施設型(住宅型ホスピス)」の2種類があります。

それぞれの違いを以下にまとめました。

項目病院型(緩和ケア病棟)施設型(住宅型ホスピス)
費用費用が抑えやすい施設によっては高くなる
医療体制医師・看護師が24時間常駐訪問診療・訪問看護が中心
※看護師は24時間在中・常駐
安心感急変時もすぐ対応可能医療対応はやや限定的※施設による
生活環境病院環境(入院扱い)自宅に近い環境
自由度制約あり比較的高い
居住形態病室(相部屋・個室)個室が基本
向いている人医療管理を重視したい方生活の質や自由度を重視したい方


病院型は医療保険が適用の中心となるため、高額療養費制度の恩恵を受けやすく、差額ベッド代のかからない部屋を選べば費用面では比較的負担を抑えやすい選択肢です。

24時間体制で医師や看護師が常駐しており、急な体調変化にもすぐに対応できる安心感があります。

ただし、面会時間や食事内容などに一定の制約があり、生活の自由度はやや限られます。

一方で、施設型は自宅に近い環境で過ごすことができ、家族の付き添いや外出なども比較的柔軟に対応できます。

しかし、居住費や生活支援費といった介護保険・自費サービスの費用が上乗せされるため、施設によっては月々の負担が大きくなる傾向があります。

本人が「最期までどのような環境で過ごしたいか」という希望と、家族の経済的な見通しの両面から検討することが重要です。

費用が大きく変わる3つのポイント

ホスピスの費用は、同じ施設タイプであっても条件次第で月額数万円単位の差が生まれます

特に影響が大きいのは、以下の3つです。

項目費用が変わる要素
保険の適用範囲・自己負担割合(1〜3割)

・高額療養費制度・高額介護サービス費制度の利用可否
部屋の種類・大部屋(多床室)か個室か

・施設型では立地や広さも影響する
サービス内容・おむつ代
・洗濯代
・寝具
・車椅子レンタルなど


利用者の年齢や所得区分によって、医療費・介護費の自己負担割合は1割〜3割まで変動します。

加えて、高額療養費制度や高額介護サービス費制度を利用するかどうかによって、最終的な支払額は大きく変わります。

制度を知らずに申請しないまま、結果的に負担が大きくなってしまうケースもあるため、事前の確認が欠かせません。

また、病院型において個室を希望する場合は、1日あたり数千円〜1万円以上の差額ベッド代が発生します。

さらに、日常生活に関わる費用についても、施設によっては自費負担となる場合があります。

こうした細かな費用は見落としやすいものの、月単位で積み重なると無視できない金額になるため、入居前に費用明細を確認しておくことが大切です。

ホスピスの費用内訳と相場【種類別】



ホスピスのそれぞれの費用内訳について、以下の施設形態別に解説していきます

病院(緩和ケア病棟)の費用内訳・入院費
・食費
・差額ベッド代
・その他の自己負担費用
住宅型ホスピス・介護施設の費用内訳・居住費
・生活費
・保険サービスの自己負担額


同じホスピスでも、病院型と施設型では費用の構成が大きく異なり、保険が適用される範囲も変わります。

以下で詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

病院(緩和ケア病棟)の費用内訳



病院の緩和ケア病棟にかかる費用
は、以下の3つに分かれます。


緩和ケア病棟は一般病棟とは異なる独自の料金体系が設定されており、入院日数や部屋の種類によって総額が変動します。

それぞれの内訳を順に見ていきましょう。

入院費(医療保険適用)

緩和ケア病棟の入院費は、定額制(包括払い)で計算されます

入院期間が長くなるほど、1日あたりの単価が段階的に下がる仕組みです。

厚生労働省の資料によると、2024年度の診療報酬における1日あたりの入院料は以下のとおりです。

入院期間緩和ケア病棟入院料1緩和ケア病棟入院料2
1〜30日52,770円/日50,250円/日
31〜60日47,240円/日45,550円/日
61日以上35,150円/日34,490円/日
出典:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定


例えば入院料1の施設に30日間入院した場合、保険請求額の総額は約158万円になります。

ただし、入院費には医療保険が適用されるため、実際の自己負担額は年齢や所得に応じた1〜3割負担で計算されます。

具体的には、入院料1(52,770円/日)の場合の負担額は、以下のとおりです。

1割負担約5,277円/日
3割負担約15,831円/日


さらに「高額療養費制度」を利用すれば、ひと月あたりの自己負担額に上限が設けられるため、実際の支払いは大幅に軽減されます。

食費・差額ベッド代

食事代と差額ベッド代は、いずれも医療保険の対象外となるため、入院費とは別に自己負担が発生します。

1食あたりの負担額は以下のとおりです。

区分1食当たりの負担額月当たりの負担額
一般の所得区分510円約45,900円
指定難病患者300円約27,000円
70歳未満で住民税非課税
70歳以上で低所得1
240円
※入院期間が90日を超えた場合は190円
約21,600円
70歳以上で低所得2110円約9,900円
出典:入院時食事療養費・入院時生活療養費


食事にかかる総費用のうち、患者が支払うのは上記の「標準負担額」のみで、残りは「入院時食事療養費」として医療保険から給付されます。

また、差額ベッド代は、個室や少人数部屋など特別療養環境室を希望する場合にかかる費用です。

金額は施設ごとに大きく異なり、差額なしの病院もあれば、1日あたり1,000円〜数万円、設備の充実した施設では10万円ほどになるケースもあります。

個室を選ぶかどうかは費用に直結するため、本人の希望と予算のバランスを事前に家族で話し合っておくことが大切です。

その他の自己負担費用

入院生活に伴う日常的な費用も、病院によって実費で請求されます

金額は個々の利用状況によって異なりますが、月額1万〜数万円以上になることもあるため、見落とさないよう注意が必要です。

主な項目としては、以下が挙げられます。


  • おむつやパッドなどの介護用品費
    ※使用枚数に応じて請求
  • 寝具や病衣(パジャマ)
  • 車椅子のレンタル代
  • テレビや冷蔵庫の利用料
  • コインランドリーや洗濯代行の費用
  • 家族が付き添う場合のベッド代
  • 面会のための交通費・食事代


病院の緩和ケア病棟では高額療養費制度によって医療費の自己負担に上限がある一方で、個室の利用有無や自費サービスの利用状況次第で実際の支払い総額が大きく変動します。

入居を検討する際は、医療費だけでなくこうした周辺費用も含めて総額を見積もることが重要です。

住宅型ホスピス・介護施設の費用内訳



住宅型ホスピスや介護施設の費用
は、主に以下の3つで構成されます。


病院型と異なり、居住費や生活支援費が独立した費目として加わるため、費用項目が多くなる点が特徴です。

居住に関わる費用

住宅型ホスピスでは、以下のように入居時と毎月の居住費が発生します

費用項目内容
入居一時金(初期費用)入居時に支払う費用
家賃・管理費(月額)居室利用料+建物維持費+共用部の水道光熱費など


入居一時金(初期費用)は施設によって大きく異なり、0円で入居できる施設もあれば、数十万円ほどの費用がかかる施設もあります

また、ある施設を例に挙げると、入居一時金と家賃は以下のとおりです

費用項目費用目安
入居一時金74,000円〜100,000円
家賃35,000円~43,000円


毎月の家賃・管理費は、居住スペースの利用料に加え、建物の維持管理費や共用部の水道光熱費などが含まれます。

これらの費用は、立地や居室の広さ、設備の充実度によって大きく異なり、月額で数万円から十数万円以上の差が生じることもあります。

生活に関わる費用

日々の生活に必要な費用は、利用した分だけ実費で請求されるのが一般的です。

食費は1食単位または月額定額で計算され、施設ごとに料金が異なります。

なお、胃ろうなどの経管栄養を利用している場合は、食費が発生しないケースもあります。
※経管栄養の一種で、胃に直接栄養を送る方法

ある施設を例に挙げると、月あたりの食費は48,600円〜55,800円程度です。

生活費・日用品費としては、おむつなどの消耗品代、寝具のレンタル代などが挙げられます。

これらは利用頻度によって月ごとに変動がありますが、合計で月額数千円〜数万円程度が目安です。

施設によっては、定額レンタルできる仕組みを用意している場合もあるため、入居前に料金体系を確認しておくとよいでしょう。

保険サービス(医療・介護)の自己負担額

住宅型ホスピスでは、医療費と介護費それぞれに保険が適用され、自己負担額が決まります。

区分内容自己負担
医療費訪問診療・訪問看護など1〜3割
※年齢・所得によって異なる
介護費訪問介護・福祉用具レンタルなど1〜3割
※要介護度・所得によって異なる


住宅型ホスピスでは、訪問診療や訪問看護といった医療サービスに医療保険が適用され、年齢や所得に応じて1〜3割の自己負担となります。

病院型と同様に高額療養費制度の対象となるため、医療費が高額になった月でも自己負担には上限があります。

介護サービス費は、訪問介護や福祉用具の貸与などを利用した場合に発生し、介護保険の要介護度や所得に応じて1〜3割の自己負担です。

要介護度によって1か月に利用できるサービスの上限額(区分支給限度基準額)が定められており、上限を超えた分は全額自己負担となる点に注意が必要です。

医療費と介護費、それぞれに負担軽減制度があるため、あわせて活用することで総額を抑えることが可能です。

ホスピスで使える保険と自己負担額の仕組み



ホスピスの費用負担を正しく見積もるうえで欠かせないのが、公的保険制度の理解です。

「医療保険」と「介護保険」のどちらが適用されるかは、利用するサービスの種類によって異なり、自己負担割合も年齢や所得によって変わります。

このセクションでは、以下の3つの観点から、保険と自己負担の仕組みを整理します。


制度を正しく把握しておくことで、想定外の出費を防ぎ、利用できる負担軽減策を漏れなく活用できるようになります。

医療保険の適用範囲と自己負担割合

ホスピスでの治療や緩和ケアは医療保険の対象であり、自己負担割合は年齢や所得に応じて1〜3割に設定されています

加えて「高額療養費制度」を利用すれば、ひと月あたりの医療費自己負担額に上限が設けられるため、入院が長期にわたっても大きく膨らみ続けることはありません。

上限額は所得区分ごとに定められており、以下のとおりです。

■70歳以上の方の場合

年収額ひと月の上限額
約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000円)×1%
約770万円〜約1,160万円167,400円+(医療費−558,000円)×1%
約370万円〜約770万円80,100円+(医療費−267,000円)×1%
約156万円〜約370万円57,600円
住民税非課税世帯24,600円
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下等)15,000円

69歳以下の方の場合

年収額ひと月の上限額
約1,160万円〜252,600円+(医療費−842,000円)×1%
約770万円〜約1,160万円167,400円+(医療費−558,000円)×1%
約370万円〜約770万円80,100円+(医療費−267,000円)×1%
〜約370万円57,600円
住民税非課税世帯35,400円

出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ


例えば、70歳以上で年収約370万円未満の一般的な所得区分の方であれば、どれほど医療費がかかっても月額57,600円が自己負担の上限となります。

緩和ケア病棟の入院料が月額100万円を超えるケースでも、この制度を活用すれば実際の支払いは数万円台に収められるため、必ず申請すべき制度です。

介護保険の適用範囲と負担額

住宅型ホスピスでは、介護保険と医療保険のサービスを組み合わせて利用します。

介護保険は、主に以下のような日常生活の支援に適用されます。

  • 訪問介護(身体介護・生活援助)
  • 訪問入浴
  • 福祉用具の貸与(車椅子・ベッドなど)


これらのサービスは、ケアマネジャーが本人の要介護度や状態に応じてケアプランを作成し、その内容に基づいて提供されます。


介護保険の自己負担割合は原則1割ですが、合計所得金額が一定以上の方は2割・3割負担となります。

注意が必要なのは、介護保険には要介護度ごとに1か月あたりの利用限度額(区分支給限度基準額)が設定されている点です。

■利用限度額の例(2024年度時点)

要介護度月額の利用限度額
要介護5約36万2,170円
出典:サービスの利用について


上記の限度額の範囲内であれば、自己負担は1〜3割で利用できますが、限度額を超えた分については全額自己負担となるため注意が必要です。

この限度額は、訪問介護や福祉用具などの介護保険サービスに対するものであり、医療費や居住費などは別途負担となります。

要介護度が高く、訪問介護や福祉用具を多く利用する場合は、限度額を超えてしまうケースもあります。

そのため、必要なサービス量が多い場合は、事前にケアマネージャーと相談し、費用の見通しを立てておくことが大切です。

後期高齢者の場合の費用の考え方

後期高齢者は「後期高齢者医療制度」の対象となり、医療費の自己負担割合は原則1割に軽減されます

一定以上の所得がある方は2割、現役並み所得の方は3割負担となりますが、多くの高齢者は1割負担に該当します。

高額療養費制度の上限額も所得に応じて、以下のように設定されています。

所得区分月額の上限額
住民税非課税世帯15,000円〜24,600円
一般所得区分57,600円


そのため、緩和ケア病棟の医療費に限れば、月々の自己負担は数千円〜数万円程度に収まるケースがほとんどです。

ただし、ここで見落としがちなのが医療費以外の支出です。

  • 食費
  • 差額ベッド代
  • 居住費・生活支援費
    ※住宅型ホスピスの場合


これらは高額療養費制度の対象外であり、別途費用が発生します。

後期高齢者の場合も、医療費だけでなく、食費・居住費・日用品費を含めた総額で費用を把握しておくことが重要です。

高額療養費制度でどこまでホスピスの費用は抑えられる?



高額療養費制度は、ホスピスの費用負担を軽減するうえで最も重要な公的制度のひとつです。

ここからは、以下の観点から制度の仕組みそのものと、実際にどの程度まで費用を抑えられるのかをより具体的に解説します


「制度があることは知っているが、自分の場合にいくらになるのかがわからない」という方は、以下の内容を参考にしてください。

高額療養費制度の仕組み



高額療養費制度とは、1か月(毎月1日〜月末)に支払った医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、その超過分が後から払い戻される制度です。

例えば、緩和ケア病棟に入院し、1か月の医療費が100万円かかった場合でも、一般的な所得区分の方であれば自己負担の上限はおよそ8万円前後に設定されます

3割負担で計算すると窓口での支払いは約30万円になりますが、上限額を超えた差額は申請後に健康保険から払い戻されます。

つまり、医療費がどれほど高額になっても、最終的な自己負担は上限額の範囲内に収まる仕組みです。

ただし、払い戻しを受けるまでには通常2〜3か月程度かかるため、一時的とはいえ高額な支払いが家計の負担になるケースがあります。

この問題を解消するために活用したいのが「限度額適用認定証」です。

事前に加入している健康保険に申請して認定証を取得し、医療機関の窓口で提示すれば、支払い時点から自己負担上限額までの請求に抑えられます

入院が決まった段階で早めに手続きしておくことで、立て替え払いの心配を減らし、安心して治療に専念しやすくなります。

自己負担限度額の目安

自己負担限度額は所得区分ごとに設定されており、収入に比例して上限額も低くなります

■高額療養費制度の上限額(主な所得区分)

区分対象者の目安月額上限
一般所得(69歳以下)年収約370万〜約770万円約80,100円+(医療費−267,000円)×1%
低所得者(69歳以下)住民税非課税世帯35,400円
一般所得(70歳以上)多くの後期高齢者57,600円
低所得者(70歳以上)住民税非課税世帯24,600円
低所得者(70歳以上・条件あり)年金収入80万円以下など15,000円
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ


一般的な所得の方(69歳以下で年収約370万〜約770万円)であれば、ひと月の上限額はおよそ8万円前後が目安です。

低所得者(住民税非課税世帯)の場合はさらに負担が軽減され、69歳以下で35,400円、70歳以上であれば24,600円、年金収入80万円以下等の条件に該当すれば15,000円が上限となります。

後期高齢者(75歳以上)の多くは一般所得区分に該当するため、月額57,600円が上限です。

ここで注意しておきたいのは、高額療養費制度の対象はあくまでも「医療保険が適用される医療費」のみという点です。

差額ベッド代や生活用品費などの支出も含めた全体像で費用を見積もるようにしましょう。

ホスピス費用の具体例【ケース別にシミュレーション】



ここまでホスピスの費用の仕組みや相場について解説してきましたが、実際にホスピスを利用した方々はどの程度の金額を支払っているのでしょうか。

インターネットアンケートを通じて実際の利用者から寄せられた回答をもとに、3つのパターンに分けて費用の実例を紹介します


制度の説明だけではイメージしにくかった「自分の場合はいくらになるのか」を、より具体的に掴むための参考にしてください。

【調査概要】

  • 調査対象:ご家族が緩和ケア病棟または住宅型ホスピスを利用した経験がある方
  • 調査人数:20名
  • 調査方法:インターネットアンケート調査
  • 実施期間:2026年4月13日~2026年4月17日

ケース①:70歳以上・緩和ケア病棟の場合

70歳以上の方が緩和ケア病棟に入院した場合、実際の月額費用は部屋の種類やサービス利用状況によって大きな差があります。

以下は、アンケート調査による月額費用とその内訳ごとの目安です。

ケース月額総額医療費食費差額ベッド代その他費用
ケース①180,000円90,000円30,000円50,000円10,000円
ケース②200,000円80,000円45,000円50,000円25,000円
ケース③225,000円18,000円42,000円150,000円15,000円
ケース④280,000円160,000円45,000円50,000円25,000円
ケース⑤180,000円80,000円45,000円40,000円15,000円
ケース⑥240,000円80,000円42,000円100,000円18,000円
ケース⑦125,000円85,000円35,000円0円5,000円
出典:クラウドワークスを通じた利用者アンケート/回答は自己申告によるもの


回答を見ると、差額ベッド代の有無が月額総額を大きく左右していることがわかります。

差額ベッド代が0円のケースでは月額12.5万円に収まっている一方で、差額ベッド代が月15万円のケースでは総額22.5万円、月10万円のケースでは24万円と、個室を希望する場合は総額が大きく増加する傾向が明確に表れています。

また、70歳以上で一般所得区分に該当し、医療保険の自己負担割合が1〜2割の方が、差額ベッド代のかからない多床室を利用した場合、医療費は高額療養費制度により上限約57,600円に抑えられます。

これに標準的な食費(約4万5,000円)と日用品費などを加えた月額11万〜12万円程度が、制度をフルに活用した場合の目安となります。

なお、住民税非課税世帯に該当する方は医療費と食費がさらに減額されるため、月額5万〜8万円程度まで抑えられるケースもあります。

ケース②:住宅型ホスピスに入居した場合

住宅型ホスピスに入居した場合、費用は「住まい+サービス費」が中心となり、個室かどうか、入居一時金の有無、所得区分によって大きく変動します。

以下は、アンケート調査による月額費用とその内訳ごとの目安です。

■ 70歳以上・医療負担1割のケース

所得区分介護負担入居一時金月額総額家賃・管理費食費医療費介護費その他
一般1割0円310,000円90,000円60,000円45,000円70,000円15,000円
一般1割0円320,000円90,000円60,000円45,000円70,000円15,000円
一般1割300,000円170,000円50,000円40,000円20,000円10,000円20,000円
一般1割0円180,000円80,000円20,000円40,000円15,000円5,000円
一般1割0円180,000円80,000円40,000円45,000円15,000円10,000円
非課税1割150,000円165,000円50,000円30,000円5,000円18,000円50,000円

■ 70歳以上・医療負担2割のケース

所得区分介護負担入居一時金月額総額家賃・管理費食費医療費介護費その他
一般1割0円250,000円70,000円30,000円50,000円30,000円30,000円
一般1割0円185,000円60,000円30,000円45,000円15,000円10,000円

■ 70歳未満・医療負担3割のケース

所得区分介護負担入居一時金月額総額家賃・管理費食費医療費介護費その他
一般1割0円285,000円75,000円40,000円55,000円45,000円45,000円

出典:クラウドワークスを通じたアンケート/回答は自己申告によるもの


住宅型ホスピスの月額総額は、16万円台から32万円まで幅広く分布しています

住宅型ホスピスでは、医療費や介護費に加えて、家賃・管理費・食費といった生活費が支出の大半を占めるため、施設ごとの料金体系を十分に比較することが重要です。

また、非課税世帯に該当する方は食費の軽減措置が適用されるため、食費が月額5,000円程度に抑えられているケースもあります。

ケース③:自己負担を抑えたケース(制度活用)

公的制度を積極的に活用することで、月額費用を大きく抑えることができます。

以下は、難病助成や高額療養費制度、高額介護合算療養費制度などを活用した方の実例です。

■ 難病・特定疾患の医療費助成を活用したケース

月額総額医療費食費居住費(家賃)その他費用活用制度
185,000円15,000円45,000円60,000円10,000円難病・特定疾患の医療費助成

■ 非課税+高額療養費+高額介護合算を活用したケース

月額総額医療費食費居住費(家賃)その他費用活用制度
165,000円18,000円5,000円50,000円50,000円住民税非課税+高額療養費+高額介護合算療養費

■ 高額療養費制度のみを活用したケース

月額総額医療費食費居住費(家賃)その他費用活用制度
250,000円30,000円50,000円70,000円30,000円高額療養費制度

※出典:クラウドワークスを通じたアンケート/回答は自己申告によるもの


これらのケースからわかるのは、医療費が本来高額になる状況であっても、自己負担上限の仕組みを活用することで、月数万円程度に抑えられる可能性があるという点です。

介護保険についても、1割負担で利用することでサービス費用を最小限に抑えられます。

さらに、必要なケアに絞ることで、住宅型ホスピスであっても月額15万〜18万円前後での利用が可能となるケースもあります

ただし、どの制度が適用されるかは、所得区分や疾病の種類、地域によって異なります。

そのため、個別の状況に応じて事前に確認しておくことが重要です。

ホスピスの費用を抑える方法



ここでは、費用を軽減するための具体的な方法を5つの観点から整理します。


本来は避けられたはずの出費が積み重なってしまうといった事態を避けるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

公的制度を活用する

ホスピスの費用を抑えるうえで最も効果が大きいのは、公的な負担軽減制度を漏れなく活用することです

制度名対象内容
高額療養費制度医療費1か月の医療費が上限を超えた場合、超過分を払い戻し
多数該当医療費過去12か月で3回以上利用すると、4回目以降は上限額が引き下げ
高額介護サービス費制度介護費1か月の介護費が上限を超えた場合に払い戻し
高額医療・高額介護合算制度医療+介護年間の医療費と介護費の合計が基準額を超えた場合に還付


高額療養費制度は、ひと月に支払った医療費(保険適用分)が自己負担上限額を超えた場合、超過分が後から払い戻されます

ただし、払い戻しまでに2〜3か月かかるため、事前に「限度額適用認定証」を申請しておくことをおすすめします。

認定証を医療機関の窓口で提示すれば、支払い時点から上限額までに抑えられるため、一時的な立て替えの負担を避けることができます。

さらに、高額療養費制度を直近12か月間で3回以上利用すると「多数該当」が適用され、4か月目以降は自己負担上限額がさらに引き下げられます。

ホスピスへの入院が数か月にわたる場合は、この仕組みによって月々の負担が段階的に軽くなっていきます。

介護保険サービスを利用している場合は「高額介護サービス費制度」も対象となり、ひと月の自己負担額が限度額を超えた分が払い戻されます。

加えて「高額医療・高額介護合算制度」を利用すれば、同一世帯内で1年間に支払った医療費と介護費の合計が基準額を超えた場合に超過分が還付されます。

医療と介護の両方を利用するホスピス利用者にとって、この合算制度は見落としやすいものの非常に有効な負担軽減策です。

食事代や生活費の減免・助成制度があるかを確認する

高額療養費制度の対象外となる食事代や生活費にも、条件を満たせば減免や助成を受けられる制度があります。

入院中の食事代は通常1食あたり510円ですが、以下の区分に当てはまる場合は減額の対象となります。

区分1食当たりの負担額月当たりの負担額
指定難病患者300円約27,000円
70歳未満で住民税非課税
70歳以上で低所得1
240円
※入院期間が90日を超えた場合は190円
約21,600円
70歳以上で低所得2110円約9,900円
出典:入院時食事療養費・入院時生活療養費


これらの減額は自動的に適用されるわけではなく、自治体や健康保険への申請が必要なため、該当する可能性がある場合は早めに確認しておきましょう。

また、お住まいの自治体によっては独自の支援制度を設けている場合があります

低所得者向けの介護保険料の減免措置や、居住費・利用者負担額に対する助成など、国の制度だけではカバーしきれない部分を補う仕組みが用意されていることがあります。

自治体ごとに内容や申請方法が異なるため、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに問い合わせるのが確実です。

施設・部屋選びを工夫する

施設のタイプや部屋の選び方を工夫するだけでも、月々の費用は大きく変わります。

  • 病院型(緩和ケア病棟)
    • 差額ベッド代がかからない部屋を希望する
  • 施設型(住宅型ホスピス)
    • 「入居一時金」の有無を確認する


病院型(緩和ケア病棟)の場合、個室を希望すると1日あたり数千円〜数万円の差額ベッド代が全額自己負担となり、高い施設では1日数十万円近くかかることもあります。

一方で、緩和ケア病棟では差額ベッド(有料個室)の割合には上限があり、すべての病室が有料になるわけではありません。

差額ベッド代がかからない部屋を希望する旨を入院前に伝えておくことで、費用を大幅に抑えられる可能性があります。

施設型(住宅型ホスピス)の場合は、初期費用である「入居一時金」の有無が大きなポイントです。

施設によっては数十万〜数百万円の一時金が必要になることがありますが、近年は入居一時金0円の施設も増えています。

ただし、一時金が不要な施設は月々の家賃がやや高めに設定されている傾向があるため、想定する入居期間に応じてトータルコストで比較検討することが大切です。


専門家の窓口に早めに相談する

ホスピスの費用や制度は複雑で、個人の状況によって最適な選択が異なります

ご家族だけで抱え込まず、専門的な知識を持つ窓口に早めに相談することが、結果的に費用面でも安心面でも最善の選択につながります。

主な相談先は、以下のとおりです。

  • かかりつけの医師
  • 病院の医療相談室
  • がん相談支援センター
  • ケアマネージャー


いずれも無料で相談でき、地域ごとの施設情報や利用可能な補助制度について具体的なアドバイスを受けることができます。

「どの制度が自分に使えるのか」「どの施設が自分に合っているのか」といった判断には、制度や費用の知識だけでなく、地域の施設事情や本人の医療・介護の状態を総合的に把握することが重要です。

専門家に相談することで、見落としていた制度の存在に気づけたり、想定していなかった選択肢が見つかったりするケースも少なくありません。

一方で、民間のホスピス型住宅や有料老人ホームを探す際には、施設探しの専門家である民間の紹介サービス(コンサル)を活用する方法もあります。

公的機関だけではカバーしきれない、民間施設の最新情報や空き状況をまとめて把握できる点が大きな強みです。

CPA-Consultingでは、ご本人の病状や生活状況、ご家族のご希望に応じて候補となる施設をご提案しています。

複数の選択肢を手間なく比較したい」という方は、ぜひお問い合わせください。

>\最適な施設選びをサポート/

ホスピスの費用に関するよくある質問と回答



ホスピスの費用に関する以下の疑問に回答していきます。


疑問を解消したい方はぜひ参考にしてみてください。

後期高齢者の場合、ホスピスの費用はいくら?

後期高齢者(75歳以上)のホスピス費用は、病院型か施設型かによって月額の目安が大きく異なります

施設の形態費用目安
病院(緩和ケア病棟・多床室)約11万〜12万円程度/月
住宅型ホスピス(介護施設)約15万〜30万円/月


病院(緩和ケア病棟)に入院する場合、差額ベッド代がかからない部屋を利用すれば、月額おおよそ11万〜12万円程度が一般的な目安です。

ただし、個室を希望する場合は1日あたり数千円〜数万円の差額ベッド代が全額自己負担で加算されるため、月額費用は大幅に増加します。

また、住宅型ホスピスなどの介護施設に入居する場合は、医療費や介護サービス費を含めて月額15万〜30万円程度が目安となります。

住宅型ホスピスでは家賃・管理費・食費といった「住まいと生活の費用」が支出の中心を占めるため、年齢による医療費の自己負担割合の違いは病院型ほど総額に影響しません。

施設の立地や設備、提供されるサービスの内容によって費用の幅が大きいため、注意が必要です。

生活保護を受けている場合のホスピスの費用は?

生活保護を受給している方の場合、ホスピスにかかる医療費の自己負担は原則0円です。

生活保護制度の「医療扶助」により、医療保険が適用される治療費は全額が公費で賄われます。

そのため、緩和ケア病棟への入院費や訪問診療・訪問看護の費用について、自己負担が発生することは基本的にありません。

食事代についても医療扶助の対象となるため、入院中の食事に関する自己負担も生じないのが一般的です。

施設に入居する場合も、居住費や食費に対して「介護扶助」や「生活扶助」による軽減措置が適用され、本来は全額自己負担となる費用を大幅に抑えることができます

癌や難病など、病気の種類によってホスピスの費用は変わる?

病気の種類によって、ホスピスの費用や利用できる制度には違いがあります

特に「癌」と「指定難病」では、費用面で押さえておくべきポイントが異なります。

項目癌の場合指定難病の場合
施設料金医療体制が手厚い施設は高額になりやすい医療体制により料金差あり
介護保険(40〜64歳)末期がんは特定疾病で適用(1〜3割負担)対象疾病なら適用(ALSなど)
医療費・食事代高額療養費制度が基本難病医療費助成で自己負担がさらに軽減
病棟の利用緩和ケア病棟が利用可能原則対象外(一般・専門病棟)
利用できる制度医療保険+介護保険医療保険+介護保険+難病助成


指定難病に認定されると、医療費の自己負担上限は高額療養費制度よりも低くなり、食事代の軽減も受けられるため、医療費の負担は軽くなる傾向があります。

また、緩和ケア病棟は原則として癌・エイズが対象のため、難病の方は利用できないのが一般的です。

利用できる病棟が異なることで費用構造も変わるため、主治医や医療ソーシャルワーカーに確認することが重要です。

ホスピスの費用は仕組みを知れば無理なく選べる



ホスピスの費用はご本人の病状や年齢・所得などによって異なるため、実際の自己負担額には個人差があります

そのため、一般的な目安だけで判断するのではなく、利用できる制度や施設ごとの費用構成を踏まえて、個別に確認することが大切です。

費用は重要ですが、「どのような環境で過ごしたいか」「家族の負担はどうか」という視点も欠かせません。

安さだけで選ぶと、必要なケアや希望を十分に満たせない可能性があります。

制度や施設の比較が難しい場合は、専門の相談サービスを活用するのも有効です。

CPA-Consultingでは、ご本人やご家族の意思を尊重した施設選びをサポートしています。

費用面の不安を解消しながら、後悔のない選択をするための第一歩として、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

\5項目の入力で簡単お問い合わせ/