ホスピスとホスピタルの違いとは|目的や対象者・環境・医療体制の特徴について解説

ホスピスとホスピタルの違いとは|目的や対象者・環境・医療体制の特徴について解説

「ホスピスとホスピタルの違いは何か」
「ホスピスではどのような治療が受けられるのか」

ホスピスという言葉を見聞きし、一般的な病院(ホスピタル)との違いについて疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

似た言葉のため混同してしまうかもしれませんが、それぞれの目的や日々のケアに対するアプローチが根本的に異なるものです。

本記事では、ホスピスとホスピタルの違いについて、治療方針、対象者、環境、医療体制の4つの視点からわかりやすく解説します。

【本記事でわかること】
ホスピスとホスピタルの違いとは
ホスピスで受けられるケア・サービス
ホスピス緩和ケアが受けられる主な施設・場所
ホスピス(緩和ケア病棟)はすべての病院にあるわけではない



また、ホスピスで受けられる緩和ケアの内容や施設の種類について詳しくまとめています。

患者様とご家族にとって、納得できる療養場所を見つけるための参考として、ぜひお役立てください。

\ホスピス緩和ケアを受けるなら専門家にご相談ください/

主に末期のがん患者様を対象としたホスピス型住宅では、心身の苦痛を緩和しながら残された時間を自分らしく過ごすための体制が整っています。


入居期間に制限がない点やより自由度の高い環境で生活できるなど、多くの方にご検討いただける選択肢の一つです。

【ホスピス型住宅の特徴】
医療・看護体制:24時間365日の看護・介護体制
生活・面会環境:個室が多く、自宅に近い環境で過ごせる
介護の負担軽減:ご家族の介護負担を軽減できる



費用体系や入居条件などは施設によって異なるため、後悔しない選択をするためにも、まずはCPA-Consultingにご相談ください。



>>ホスピスとは?費用・条件・緩和ケアとの違いまでわかりやすく解説

ホスピスとホスピタルの違いとは

ホスピスとホスピタルの違いとは



ホスピタル(一般的な病院)は、病気の治癒を目的として、検査や治療を受ける場所のことです。

一方、ホスピスは、悪性腫瘍(がん)などの患者様を対象として、痛みや苦痛を和らげることを目的とした「緩和ケア」を受ける場所、またはケアプログラムのことを指します。

本章では、ホスピスとホスピタルの主な違いについて解説します。

目的・治療方針の違い
対象者・利用者の違い
自由度・環境の違い
医療体制・スタッフの違い



以下で、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

目的・治療方針の違い



ホスピタルが病気の治癒を目指すのに対し、ホスピスは心身の苦痛を和らげ、QOL(生活の質)を高めることを主な目的としています。

それぞれの目的や治療方針の具体的な違いは、以下のとおりです。

項目 ホスピス ホスピタル
主な目的 身体的・精神的な苦痛緩和 病気の根治・延命
主な治療方針 痛みを緩和するための薬物療法やリハビリを行う 抗がん剤治療や放射線治療などの積極的な治療を行う



ホスピスは、心身の苦痛の緩和だけでなく、患者様が最期までその人らしく、ご家族とともに穏やかな時間を過ごせるよう支援する役割があります。

苦痛を和らげ、安らかな日々を望む方にとって、ホスピスで受けられる緩和ケアは前向きな選択肢となるでしょう。

対象者・利用者の違い



ホスピタルがさまざまな病気や怪我の患者様を受け入れるのに対し、ホスピスは主に悪性腫瘍(がん)などの難病に罹患している方が対象です。

両者の主な対象者について、一覧表で違いを整理しましょう。

項目 ホスピス ホスピタル
対象者・利用者の違い がんや難病の終末期の患者様 急性期治療、病気の根治を目指す患者様



ホスピスでは、基本的に回復の見込みがないと判断された終末期の方が対象となります。

施設によっては、がんの患者様に加えて、後天性免疫不全症候群(エイズ)や特定の指定難病を抱える方を受け入れている場合もあります。

ご自身の病状を正しく理解し、どのようなケアを望むのかをご家族と話し合いながら、適切な環境を選ぶ基準としてご活用ください。

自由度・環境の違い



入院時には規則的な集団生活が求められるホスピタルとは異なり、ホスピスは自宅に近い自由でゆったりとした療養環境が整えられています。

日々の過ごし方には、主に以下のような違いがあります。

項目 ホスピス ホスピタル
生活リズム 起床や消灯時間などのルールがなく、体調に合わせて自由に過ごせる 起床や消灯時間が決まっており、検査や治療に合わせて生活する
ルールや面会制限 施設によっては24時間好きな時間に面会に対応しているなど、比較的制限が少ない 面会できる時間が制限されているなど、院内のルールに従う必要がある



ホスピスでは、苦痛を和らげる緩和ケアを受けつつも、日々の制限が少なく自宅に近い環境で過ごせるため、希望や体調に合わせて自由に生活できます。

ご家族との大切な時間を気兼ねなく共有できる環境づくりは、ホスピスならではの大きな魅力といえるでしょう。

医療体制・スタッフの違い



ホスピタルが病気の治療を専門とする医師を中心とするのに対し、ホスピスは多職種が連携して心身を総合的にケアする体制を敷いていることがほとんどです。

それぞれの中核となる体制は、以下のとおりです。

項目 ホスピス ホスピタル
主な体制 医師や看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど多職種 医師や看護師が中心
※病院によっては多職種連携が行われる場合もあり



ホスピスでは、身体の痛みを緩和するだけでなく、死に対する恐怖心や、ご家族の精神的な不安まで幅広くサポートします。

患者様とご家族の心に深く寄り添い、多角的な視点から生活を支えるための多職種連携が取りやすい体制が整っています。

ホスピスで受けられるケア・サービス

ホスピスで受けられるケア・サービス



ホスピスでは、末期がんなどの患者様が抱える身体的な苦痛を和らげるだけでなく、精神的・社会的な不安も総合的にサポートするケアを受けられます。

主なケアやサービスは、以下のとおりです。

痛みのケアと生活のサポート
不安や孤独感などの精神的なケア
ご家族に対するサポート



専門の医療チームが多角的に支援し、患者様ご本人の尊厳を守りながら、ご家族も含めて穏やかな日々を過ごせる環境を整えます。

それぞれの具体的なサービス内容について、詳しく見ていきましょう。

痛みのケアと生活のサポート



ホスピスでは、薬物療法による疼痛コントロールやリハビリ、介護士による生活のサポートが受けられます。

病気の治癒を目的とした、抗がん剤治療などの積極的な治療は行われませんが、痛みを和らげるための治療は行われます。

具体的な痛みのケアと生活のサポートは、主に以下のとおりです。

・麻薬性鎮痛薬や鎮痛補助薬(抗うつ薬)などの使用
・リハビリテーションによる身体機能の維持
・必要に応じて入浴や食事など日常生活のサポート
など



患者様の状態に合わせた薬物療法によって痛みが和らぐことで、ご家族との会話や食事といった日常の楽しみを実感できるようになるでしょう。

ホスピスでは、患者様の体調変化に目を配り、安心して毎日を過ごせる環境が整っています。

不安や孤独感などの精神的なケア



ホスピスでは、痛みなどの身体的苦痛以外にも、臨床心理士などの専門家が、不安や孤独感に対する精神的なケアを行う場合があります。

精神的なケアでは、例えば以下のようなお悩みをお伺いします。

将来への不安:今後どうなっていくのかという、先行きの見えない恐怖心
ご家族への思い:心配をかけたくないという不安や悩み



無理に話す必要はありませんが、心の中にある重荷を少しでも軽くし、落ち着いた気持ちで毎日を過ごすためのサポートと考えましょう。

また、病院でホスピスケアを受けられる「緩和ケア病棟」では、痛みや不安から意識を離し、日常を楽しむために、お花見やクリスマス会などのイベントを行っているケースもあります。

ご家族に対するサポート



医療ソーシャルワーカーが、看病による疲労や経済的な不安について、ご家族を総合的に支援する相談窓口として対応します。

ご家族が抱える具体的な悩みを解消し、看病に専念できる環境を整えるための手厚いサポートが受けられます。

医療ソーシャルワーカーによる主な支援内容は、以下のとおりです。

支援の分野 主なサポート内容
心身の負担軽減 看病に伴う精神的・肉体的な疲労を和らげるため、ご家族のお悩み相談など
経済的な不安解消 医療費の助成制度の紹介や、高額療養費制度などの申請手続きの支援など
グリーフケア 大切な方を看取られた後の喪失感を和らげるグリーフ(悲嘆)ケアの実施など



制度の活用から精神的な配慮まで幅広く対応しているため、患者様だけでなく、ご家族の不安も和らぐでしょう。

ご家族の心身が安定することは、患者様へより穏やかに寄り添うことにつながります。

ホスピス緩和ケアが受けられる主な施設・場所

ホスピス緩和ケアが受けられる主な施設・場所



ホスピス緩和ケアは、病院内にとどまらず、ご自宅や民間の介護施設など、ご本人とご家族の希望に応じた多様な場所で受けられます。

主な療養先は、以下のとおりです。

病院の緩和ケア病棟
ホスピス型住宅
自宅(在宅緩和ケア)



どこで時間を過ごすかによって、日々の生活リズムや受けられるサポート体制が異なります。

それぞれの施設や環境が持つ具体的な特徴を見ていきましょう。

病院の緩和ケア病棟



病院でホスピス緩和ケアを受けられる「緩和ケア病棟」は、がんによる痛みや息苦しさを和らげるための専門的な医療設備とチーム体制が整っています。

緩和ケア病棟の特徴として、主に以下のような点が挙げられます。

・医師や看護師、薬剤師などの多職種連携が取れている
・一般病棟よりも比較的ルールが少ない
・入院判定に時間がかかる場合がある



医師や看護師が常駐しており、急性期治療にも対応できるため、ホスピス緩和ケアを受ける際の有力な選択肢になります。

しかし、入院判定に時間がかかり1ヶ月程度の待機期間が生じるケース※や、条件によっては入院できないケースもあるため注意が必要です。
※出典:日本ホスピス緩和ケア協会



また、最期(看取り)まで入院するケースもありますが、病状が安定した場合は、退院しなければいけません。

以下で紹介する選択肢も確認したうえで、目的や理想に応じた療養先を選びましょう。

ホスピス型住宅



ホスピス型住宅とは、自宅のようなプライベート空間で、ホスピス緩和ケアを受けられる施設です。

施設の特徴として、主に以下のような点が挙げられます。

・24時間365日の看護・介護体制で過ごせる
・面会や外出制限が少なく、自宅に近い環境で生活できる
・医師がいないため急性期治療はできない場合がある



病院ではないため、医師は常駐していませんが、看護師・介護士が24時間体制で生活をサポートします。

また、面会や外出などの制限が少ないため、比較的自由に生活できる点も魅力の一つです。

入居期間の制限がないため、退院後の選択肢や終身利用を目的として、ホスピス緩和ケアを検討する際に有力な候補となります。

費用体系や入居条件などは施設によって異なるため、後悔しない選択をするためにも、まずは専門家に相談しましょう。

「施設選びで失敗したくない」という方は、ぜひCPA-Consultingへご相談ください。



>>ホスピス型住宅とは?特徴・デメリットや急増する背景についても解説

自宅(在宅緩和ケア)



住み慣れた自宅でご本人の生活リズムを優先しながら、痛みを和らげるための在宅緩和ケアも選択肢の一つです。

在宅緩和ケアの特徴として、主に以下のような点が挙げられます。

・訪問診療・訪問介護によって生活のサポートを受けられる
・住み慣れた自宅でご家族と生活できる
・家族の介護負担が大きくなりやすい



訪問診療や訪問看護などの外部の専門サービスを組み合わせることで、自宅で生活しながらホスピス緩和ケアを受けられます。

好きなものを食べ、ご家族と水入らずの時間を過ごせるなど、自由度が高い療養スタイルといえるでしょう。

ホスピス(緩和ケア病棟)はすべての病院にあるわけではないため注意



ホスピス(緩和ケア病棟)はすべての病院に併設されているわけではないため、早めに情報収集を進めることが重要です。 

現在の病院に緩和ケア病棟がない場合は転院を視野に入れ、以下のようなアクションで探し始めることでスムーズに希望の環境へ移れます。

・現在の主治医や医療ソーシャルワーカーへ早めに希望を伝える
・各地域に設置されている「がん相談支援センター」を活用する
・インターネットの専門サイトで条件に合う施設を検索する



ご家族だけで悩まず、医療の専門家や各種相談窓口を積極的に頼りながら、心穏やかに過ごせる療養場所を見つけていきましょう。

また、先述のとおり、ホスピス緩和ケアは病院以外にも「ホスピス型住宅(施設)」や「在宅緩和ケア(自宅)」の選択肢もあります。

「ホスピス緩和ケアの施設選びで失敗したくない」という方は、ぜひCPA-Consultingにご相談ください。

 

ホスピスに関するよくある質問



最後に、ホスピスを検討している方から事前相談でよくいただく疑問について詳しくお答えします。

ホスピスと緩和ケア病棟の違いは?
緩和ケア病棟の入院条件は?誰でも利用できる?



専門的な用語の意味や具体的な入居条件について事前に整理しておくことで、より適切な環境選びを進めやすくなります。

それぞれの疑問について、詳しく見ていきましょう。

ホスピスと緩和ケア病棟の違いは?



ホスピスと緩和ケア病棟の違いは、以下のとおりです。

項目 主な目的
ホスピス ・主にがんの終末期の患者様を対象とした、心身の苦痛を緩和しながら残された時間を自分らしく過ごすためのケア
緩和ケア病棟 ・診断直後から終末期までの方を対象とした、心身の苦痛を和らげるためのケアを受けられる病棟(病院)



緩和ケア病棟では、診断直後から緩和ケアを受けられるのに対し、ホスピスは終末期の方を対象としたケアになります。

緩和ケア病棟の入院条件は?誰でも利用できる?



緩和ケア病棟は誰でもすぐに入院できるわけではなく、対象となる疾患があります。

対象となる疾患は、主に以下の2つです。

・悪性腫瘍(がん)
・後天性免疫不全症候群(エイズ)
※出典:日本ホスピス緩和ケア協会



上記の疾患に罹患している場合でも、希望する入院先での診察や面談の結果、入院できない可能性もゼロではありません。

また、混雑状況によっては、入院できるまで数週間から1ヶ月程度の待機期間が生じる※ケースも考慮する必要があります。
※出典:日本ホスピス緩和ケア協会



緩和ケア病棟への入院を検討する際は、まず主治医や相談窓口に確認しましょう。

>>緩和ケア病棟に入ったらどうなるの?受けられるサービスや入院期間・入るまでの流れを解説

ホスピスとホスピタルは目的や治療方針が大きく異なる



ホスピスとホスピタルは、似た言葉のため混同してしまう方もいますが、目的や日々のケアに対するアプローチが根本的に異なります。 

本記事で解説した両者の違いをまとめると、以下のとおりです。

項目 ホスピス ホスピタル
目的・治療方針の違い 【主な目的】
身体的・精神的な苦痛緩和

【治療方針】
痛みを緩和するための薬物療法やリハビリを行う
【主な目的】
病気の根治・延命

【治療方針】
抗がん剤治療や放射線治療などの積極的な治療を行う
対象者・利用者の違い がんや難病の終末期の患者様 急性期治療、病気の根治を目指す患者様
自由度・環境の違い 比較的自由で、日常生活に近い暮らしが可能 治療重視のため、病院内のルールに従う必要がある
医療体制・スタッフの違い 医師や看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど多職種 医師や看護師が中心
※病院によっては多職種連携が行われる場合もあり



どちらの環境が適しているかは、患者様の現在の病状や、「これからの時間をどのように過ごしたいか」というご本人とご家族の価値観によって変わります。

ホスピス緩和ケアをご検討の方は、後悔しない施設を選ぶためにも、専門家のサポートを受けることも選択肢の一つです。

豊富な知識を持つ専門家に相談することで、施設選びにおける迷いや疑問を解消し、患者様が安心して過ごせる環境を迅速に整えられます。

「ホスピス緩和ケアの施設選びで後悔したくない」という方は、ぜひCPA-Consultingにご相談ください。