ターミナルケアと看取りの違いとは?受けられるケアや場所・家族がすべき準備を解説
ターミナルケアとは、終末期に医療的な処置を含めて症状の緩和を行うケアです。
一方の看取りとは、死が近づいた方に寄り添い、身体的・精神的な苦痛に配慮しながら、その人らしく穏やかに最期を迎えられるよう支える過程を指します。
言葉としては似ているため、違いがはっきりと分からず、今後の方針の判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ターミナルケアと看取りの定義と違いをはじめ、受けられるケアの内容や場所を段階的に解説します。
読み終えるころには、親の病状や希望に照らして「どのようなケアが適しているのか」を家族で話し合いやすくなり、主治医やケアマネジャーに相談すべき内容も具体的に整理できるでしょう。
また、ご家族だけで判断することが難しい場合は、専門家に相談し、悩みや選択肢を整理することも大切です。
CPA-Consultingでは、ホスピスの開業支援などで培った知見をもとに、ご本人やご家族の状況に合った施設選びをサポートしています。
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ターミナルケアと看取りの違い|定義と特徴から比較

ターミナルケアと看取りの違いを、定義と特徴から以下の順に比較します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 終末期(ターミナル期) | 回復が見込めず、死期が近いとされる時期 |
| ターミナルケア | 終末期に、医療的処置を含めて行うケア |
| 看取り | 心身の苦痛に配慮しながら、ご本人らしい最期を支える過程 |
ただし、両者は完全に分かれるものではなく、ターミナルケアの中で、死が近づいた最終段階に行われる支援が看取りにあたる場合もあります。
正しく区別するには「終末期」の意味も押さえる必要があるため、あわせて確認しておきましょう。
終末期(ターミナル期)|回復が見込めず死期が近いとされる「時期」
終末期はターミナル期とも呼ばれ、ターミナルケアと看取りのどちらにも関わる「時期」を指す言葉です。
以下のように定義されています。
- 複数の医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
- 患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること
- 患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること
ターミナルケアと看取りが「ケアの方法」を表すのに対し、終末期はそれらのケアを実施する「時期」そのものを表しています。
終末期に入った場合、ご本人の意思(リビング・ウィル)に沿って延命治療の継続・中止やターミナルケアの方針を決めるのが原則です。
ただし、ご本人が意識や判断力を失っている場合は、家族や医療従事者が話し合い、「どのようなケアを続け、どのように看取りを迎えるか」を判断する場面もあります。
ターミナルケア|終末期に医療的処置を含めて行うケア
ターミナルケアは、医療的処置による症状緩和を中心としたケアであり、終末期ケアと呼ばれることもあります。
「終末期医療」「終末期看護」とも訳され、点滴・酸素吸入・医療用麻薬による痛みや呼吸困難の管理といった、積極的な症状コントロールが行われます。
また、身体的苦痛の緩和だけでなく、生活の質(QOL)向上を目指したアプローチである点も特徴のひとつです。
実際に、高齢者施設の多くがターミナルケアを提供しています。下表は、施設種別ごとの提供割合です。
| 施設名 | 割合 |
|---|---|
| 介護医療院 | 98.1% |
| 特定施設入居者生活介護 | 91.0% |
| 介護老人福祉施設(特養) | 78.4% |
| 介護老人保健施設(老健) | 77.8% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 64.0% |
(令和6年度調査) |厚生労働省
上記に挙げた施設では、6割以上がターミナルケアを導入しています。
なお、ターミナルケアの対象期間は、医師による余命告知後から始まり、余命が数週間から数か月程度と比較的長期にわたります。
看取り|心身の苦痛に配慮しながら最期を支える過程
看取りは、回復の見込みがない終末期にある方に寄り添い、身体的・精神的な苦痛を和らげ、その方が自分らしく穏やかに最期を迎えられるよう見守る過程です。
「お看取り」とも表現され、医学的治療よりも食事・排泄の介助や清拭、体位変換といった基本的な生活支援を丁寧に行い、患者が安らかに最期を迎えられる環境を整える点が、ターミナルケアとの大きな違いです。
対象となるのは、死が間近に迫った最終段階で、余命が数日〜数週間程度の時期です。
場合によっては、遺族が喪失体験を受け入れて心の回復を促すための支援である、「グリーフケア」まで含まれることもあります。
また、看取りの内容は、行う場所によっても次のように異なります。
| 場所 | 特徴 |
|---|---|
| 病院 | ・医学的管理を重視する ・苦痛を最小限に抑えながら医療的な安心感を得られる |
| 介護施設 | ・日常生活の延長線上での安らかな最期を支える ・家族やスタッフに囲まれて心穏やかに最期を迎えられる |
主な違いは、医療的処置の充実度と生活の質(QOL)や環境のあり方です。
どちらの施設で看取りを行う場合でも、ご本人の尊厳保持はもちろん、家族への精神的サポートが欠かせません。
ターミナルケアや看取りと緩和ケア・ホスピスとの違い
ここからは、ターミナルケアや看取りと緩和ケア・ホスピスがどのように違うかに焦点を当てて、解説していきます。
それぞれの違いを詳しく押さえると、親の状態に合ったケアの方向性が見えやすくなります。
緩和ケアとの違い
緩和ケアとターミナルケア・看取りの違いは、終末期に限らず、病気の治療と並行して早期から受けられる点です。
緩和ケアの目的は「QOL(生活の質)の向上」で、以下のような、痛みや身体的・精神的な苦しみを和らげる総合的な支援を行います。
- 薬物療法による疼痛コントロール
- リハビリテーションによる身体機能の維持・改善
- カウンセリングによる精神的ケア
ターミナルケアや看取りとの違いを、「提供される時期」と「治療との関係」の2つの観点で整理すると次のとおりです。
| 項目 | 時期 | 治療との関係 |
|---|---|---|
| 緩和ケア | がんと診断された時から始められる ※外来や緩和ケアチーム、緩和ケア病棟によってそれぞれ受け入れる時期が異なる |
病気の治療や延命治療と並行できる |
| ターミナルケア・看取り | 主に人生の最終段階に行う | 延命よりも苦痛緩和や希望に沿った過ごし方を重視することが多い |
このように、緩和ケアは「治療と並行して早期から」、ターミナルケアや看取りは「人生の最終段階に」という違いがあるため、ご家族が今どの段階にいるのかを起点に、適したケアを考えていくとよいでしょう。
ホスピスとの違い
ホスピス、ターミナルケア、看取りは、いずれも人生の最終段階に関わる言葉ですが、意味する範囲や使われ方が異なります。
| 用語 | 意味 | 主な場所 |
|---|---|---|
| ホスピス | 苦痛をやわらげ、尊厳や生活の質を支える緩和ケアを専門的に提供する場・考え方 | ・緩和ケア病棟 ・ホスピス ・在宅緩和ケアなど |
| ターミナルケア | 人生の最終段階に行われる医療・介護・生活支援全体 | ・病院 ・介護施設 ・自宅など |
| 看取り | 死が近づいた時期から亡くなる前後に、本人と家族に寄り添う具体的な支援 | ・病院 ・介護施設 ・自宅など |
ターミナルケアは終末期の医療・介護・生活支援全体を指す広い概念で、ご本人の意思や価値観を尊重しながら、最期までその人らしく過ごせるよう支えるケアを含みます。
看取りは、ターミナルケアの中でも、死が近づいた時期から亡くなる前後にかけて、本人と家族に寄り添う具体的な支援を指します。
一方、ホスピスは、緩和ケアを専門的に提供する場や考え方として位置づけられます。
ホスピスでは、身体的な苦痛をやわらげる支援にとどまらず、心理面・社会面・生活面・家族への支援まで含めた幅広いケアが行われます。
- 症状の緩和
- 日常生活のサポート
- 食事の工夫
- 生活の質を維持するためのリハビリテーション
- カウンセリング・傾聴
- スピリチュアルケア
- レクリエーション
- 家族へのカウンセリング・グリーフケア
ホスピス・ターミナルケア・看取りはいずれも、人生の最終段階にある方が苦痛をやわらげながら、本人らしい時間を過ごせるよう支えるための大切なケアです。
ターミナルケアと看取りで受けられるケアの内容
ターミナルケアと看取りで受けられるケアの内容について解説します。
ご本人の状態に適した支援を見つけるために、それぞれの具体的なケア内容を把握しておきましょう。
ターミナルケア|症状緩和と医学的管理を中心とした包括的ケア
ターミナルケアでは、医療的処置による症状緩和と医学的管理を中心に、多職種チームによる包括的なケアが提供されます。
主なケア内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 医療的処置による症状緩和 | 以下の処置で苦痛を和らげる ・点滴 ・酸素吸入 ・医療用麻薬(モルヒネ等) |
| 医学的な管理 | 以下についての対処を行う ・栄養管理(経管栄養など) ・感染予防 ・褥瘡(床ずれ) |
| 多職種チームによるサポート | 医師、看護師、ソーシャルワーカーなどが連携し、精神的・社会的な問題に対応する |
| 身体的安楽の提供 | ・呼吸困難時に安楽な体位を保持する ・むくみ(浮腫)へのマッサージや足浴を行う |
| 経済的・社会的な支援 | 高額療養費制度などを紹介し、費用面の不安を軽減する |
身体的な苦痛の緩和を軸に、精神面や経済面まで含めた包括的な支援を受けられる点が、ターミナルケアの特徴です。
看取り|日常生活支援と精神的寄り添いを中心とした療養ケア
看取りでは、ご本人が穏やかに最期を迎えられるよう、日常生活支援と精神的な寄り添いを中心に療養環境を整えます。
具体的なケア内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日常生活の継続的な支援 | 食事、排泄、入浴、清拭(体を拭く)、着替えなどの介助を行う |
| 穏やかな環境の整備 | ご本人がリラックスできる環境を整える |
| 精神的な寄り添いと声かけ | 死への不安や恐怖に対し、家族やスタッフがそばにいて、孤独感を与えないよう配慮する |
| 家族への支援と死後のケア | ・家族の不安解消や面会の調整を行う ・死後のエンゼルケア(遺体の整容)やグリーフケアを行う |
| 自然な経過の尊重 | 心肺蘇生や人工呼吸器などの延命治療を行わず、生命の自然な流れを見守る |
医療的な介入を最小限にとどめ、本人の尊厳と家族の心のケアまでを支える点に、看取りの特徴があります。
ターミナルケアや看取りが必要になるタイミング
「ターミナルケアや看取りに、いつ切り替えればいいのか」は、多くの家族が迷うポイントです。
切り替えを考えるタイミングとして、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれのタイミングを把握しておくと、親の状態変化に応じて適切な行動を取りやすくなります。
ご本人の状態が変化したとき
ターミナルケアや看取りが必要になるタイミングのひとつが、ご本人の身体状態に目に見える変化が現れたときです。
代表的な疾患ごとに、終末期にみられやすい症状をまとめました。
| 疾患名 | 終末期にみられやすい症状 |
|---|---|
| がん | ・食欲の低下 ・日中横になって過ごす時間や終日臥床(寝たきり)の状態の増加 ・身体的苦痛の訴えの増加 |
| 心不全 | ・息切れ、息苦しさ、むくみ、倦怠感の増加 ・食欲低下や不眠 ・重症化や急変時には、意識レベルの低下や失神がみられることがある |
| 老衰 | ・体重、食事摂取量、BMIの低下 ・水分摂取量が1ヵ月前から不可逆的に激減 ・活動量の低下や眠っている時間の増加 |
また、ターミナルケアから看取りへの移行期には、以下のような変化が見られます。
- 日常生活動作(ADL)の著しい低下
- 経口摂取の困難
- 意識レベルの低下
死が間近に迫った最終段階では、日常生活動作が困難になり、意識レベルの低下もあらわれます。
これらの兆候が見られた段階で、主治医やケアマネジャーへ早めに相談しましょう。
医師から「終末期」の診断や余命告知を受けたとき
医師から終末期の診断や余命告知を受けた段階も、ターミナルケアや看取りへの切り替えを検討するタイミングです。
具体的には、次のような場面が該当します。
- 複数の医師が客観的な情報に基づき、治療による回復が期待できないと判断したとき
- 医師から余命告知(宣告)を受け、積極的な治療から緩和ケアへの転換が必要と判断されたとき
自宅や施設でケアを受けている場合は、状態の変化に合わせてケアマネジャーに相談し、ケアプランの修正や費用の検討を進める必要があります。
ターミナルケアから看取りへ移行する判断基準
ターミナルケアから看取りに入るタイミングは、ご本人の体調や医学的な予後をふまえて判断することが一般的です。
移行の目安となる基準には、以下のようなものが挙げられます。
- 医学的な予後予測が、数日から数週間程度になったとき
- 意識レベルの低下や経口摂取(食事)が困難になったとき
医療チームと家族との間で十分な話し合いを行い、ご本人の希望も含めて今後の方針について共通理解を得ることが大切です。
ケアマネジャーに相談してケアプランを見直す時期
ケアプランの見直しは、ケアの段階が切り替わるタイミングでケアマネジャーに相談して進めます。
通常のケアからターミナルケアへの切り替えは、医師から「治癒の見込みがない」と診断され緩和ケアを提案された段階が目安です。
この切り替えは、「治癒目的」から「緩和目的」の治療への転換に該当します。
医療費の増加に備えて、高額療養費制度などの活用もこの段階で相談しておきましょう。
ターミナルケアから看取りへの切り替えは、全身状態の悪化や経口摂取の困難などが見られ、死が間近に迫った段階が目安となります。
看取りへ移行した段階では、24時間体制の連絡・支援体制を確保することが求められます。
あわせて、看取りに特化した「看取り介護計画書」の作成をケアマネジャーに依頼し、いつ・誰が・何をするのかを明確にしておく必要があります。
ターミナルケアや看取りを受けられる場所

ターミナルケアや看取りを受けられる場所は、主に以下の4つです。
場所ごとに医療体制や費用目安、家族の負担感を比較すると、ご本人の状態に合った候補を絞り込みやすくなります。
病院|急性期治療からの移行・医療処置を受ける
病院は、がん治療などを受けてきた経過を踏まえながら、必要に応じて終末期の症状緩和へ移行しやすい場所です。
主治医や看護チームが治療経過を把握しているため、治療方針を切り替える際にも情報のロスを抑えやすい傾向があります。
また、緩和ケア病棟では、夜間に痛みや息苦しさが強くなった場合でも、看護師が状態を確認し、必要に応じて医師と連携しながら対応できる体制が整えられています。
費用は、医療保険の自己負担割合、高額療養費制度の適用などによって異なりますが、差額ベッド代を含まなければおよそ5万円〜15万円程度に収まるケースが一般的です。
※高額療養費制度適用後の目安・所得区分によって異なる
自宅|訪問診療・訪問看護を利用して家族と過ごす
自宅は、住み慣れた環境のなかで安心して過ごしながら、家族が見守って看取りができる場所です。
ただし、自宅で終末期ケアを続けるには、医師による訪問診療や看護師による訪問看護の利用が欠かせません。
在宅での疼痛コントロールでは、病院で行っていた治療やケアをそのまま続けるのではなく、暮らしやすさや介護者が対応しやすい方法を考慮しながら苦痛をやわらげるための細やかな対応が行われます。
費用は、家賃や居住費がかからず、医療や介護サービスにのみ発生するため、月数万円程度に抑えられる場合があります。
ただし、費用面の負担は抑えやすい一方で、自宅でのケアには注意すべき点もあります。
家族が担うケアの負担が増えやすく、容体が急変したときにすぐ医師の診察を受けることが難しい、という点です。
そのため、いざというときの対応をご本人・家族・医療機関で事前に話し合っておくことが重要になります。
- 急変時に救急車を呼ぶか
- 救急搬送時の救命処置を希望するか
- 心肺蘇生や人工呼吸器などの延命処置を希望するか
- 点滴・胃ろう・透析・輸血などをどこまで希望するか
あわせて、「どのような状況のときに、どこへ連絡すればよいか」を整理し、緊急時の連絡先を記した紙を電話の近くなどに貼っておくと安心です。
深夜の急変時にも、家族が迷わず24時間対応の訪問看護ステーションなどへ連絡でき、取り決めどおりの対応を進められます。
介護施設|看取り対応の体制がある施設を選ぶ
介護施設は、食事・排泄・入浴などの日常生活の支援を受けながら、生活の延長として最期を迎えられる場所です。
施設の介護職が日常ケアを担い、協力医療機関の医師や看護師と連携しながら、痛みの管理や急変時の対応を行います。
入居した本人は顔なじみのスタッフに囲まれて過ごせるため、孤独感がやわらぎ、家族も付き添い時間の確保に追われにくくなります。
特に「看取り介護加算」を算定している施設は、看取りに関する指針の整備や職員研修、医師・看護師との連携体制など、一定の基準を満たしているため、看取り体制を確認する際の目安になります。
費用は施設の種類や所得により異なりますが、介護老人福祉施設(特養)の場合は月数万円~15万円程度が目安となります。
日常の延長で最期を迎えたい場合や、毎日通うのが難しい家族にとって、現実的な選択肢といえます。
ホスピス|緩和ケアを中心に穏やかな最期を迎える
ホスピスは苦痛の緩和と尊厳の保持を重視し、本人と家族を包括的に支える緩和ケアの場で、患者ご本人だけでなく家族も含めた包括的な支援を受けられる場所です。
身体の痛みだけでなく、不安や喪失感・生きる意味への問いなどにも向き合いながら、その人らしい時間を過ごせるよう支援します。
ホスピスでは、以下のような多職種が連携し、身体的・心理的・社会的な苦痛に対応します。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 心理士
- 介護士
- ケアマネジャー
- ソーシャルワーカー
また、看取り後のグリーフケアが提供されるなど、ご本人だけでなくご家族の精神的な回復まで支える点が強みです。
費用は、ホスピス型住宅や介護施設型で、月額約15万〜30万円程度が目安です。
※高額療養費制度適用後の目安・所得区分によって異なる
ただし、ホスピスは施設ごとに受入条件・医療体制・費用が大きく異なり、ご家族だけで条件に合う施設を探し出すのは簡単ではありません。
そこで、専門家のサポートを活用するのもひとつの方法です。
CPA-Consultingでは、ホスピス施設の紹介にも対応しており、親の病状やご家族の希望に合った候補を専門家が提案します。
施設ごとの受け入れ条件や費用を一つひとつ調べる負担を減らしながら、複数の候補を比較・検討できます。
施設選びで迷ったときは、ご家族だけで抱え込まず、専門家への相談も検討してみてください。
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ターミナルケアや看取りに対応する施設の選び方
ターミナルケアや看取りに対応する施設を選ぶ際は、以下の4点を確認すると判断がしやすくなります。
いずれも入居後に「想定と違った」と感じやすいポイントなので、見学や問い合わせの段階で把握しておくと安心です。
医療体制と看取り対応の方針を確認する
施設選びで最初に確認したいのは、医療と看護の連携体制、そして施設が掲げる「看取りの方針」です。
ターミナルケアや緩和ケアに対応している施設であれば、病状が進行しても、住み慣れた場所でケアを継続しやすくなります。
担当チームが病状やご家族の価値観を継続的に把握していれば、ターミナルケアから看取りへ移行するタイミングについても、主治医・看護師・介護職・家族の間で共有しやすくなります。
ただし、医師・看護師・介護職がどのように関わるか、夜間や急変時に誰が対応するかは施設によって異なります。
そのため、施設内だけで完結する体制なのか、協力医療機関や訪問看護と連携する体制なのかを確認しておくことが大切です。
とはいえ、「看取りの方針」や「連携体制」は施設のパンフレットだけでは実態が見えにくいものです。
見学や問い合わせの際には、次の3点を具体的に確認しておきましょう。
- 看取り件数の実績
- これまでの看取り対応の経験量がわかる
- 夜間帯のスタッフ人数
- 急変が起こりやすい夜間の対応力がわかる
- 職員研修の実施状況
- 個々の職員が終末期の変化に対応できる知識を持っているかがわかる
特に看取りまで希望する場合は、看取りの実績だけでなく、夜間の連絡体制や職員研修の状況まで確認しておくと安心です。
医療的処置や看取り加算で費用が変わる点を確認する
ターミナルケアや看取りにかかる費用は、以下によって大きく変動します。
- 必要な医療的処置の内容
- 介護保険の加算
- 医療保険の自己負担
- 施設ごとの実費負担
終末期には、疼痛コントロールなどの医療処置が必要になるケースがあるものの、必ずしもその施設で対応できるとは限りません。
医療的処置の内容によっては、追加費用が発生するだけでなく、施設の対応範囲を超えることで、入居継続が難しくなる場合もあります。
費用や受け入れ可否に影響しやすい医療的処置には、以下のようなものがあります。
| 医療的処置・管理 | 確認したいこと |
|---|---|
| 痛みをやわらげる薬剤の管理 | 医療用麻薬の管理や投与方法に対応できるか |
| 点滴・胃ろう・中心静脈栄養 | 施設内で対応できるか、外部医療機関との連携が必要か |
| 褥瘡管理 | 処置の頻度や看護師の関与体制 |
| 喀痰吸引・酸素療法 | 夜間や急変時も対応できるか |
| 難病や複雑な医学的管理 | 受け入れ実績があるか、対応可能な範囲はどこまでか |
対応範囲が広い施設ほど安心材料にはなりますが、月額費用や追加費用が増える場合もあります。
そのため、見学時には「現在必要な処置」だけでなく、「今後状態が悪化した場合にどこまで対応できるか」も確認しておきましょう。
また、医療的処置の対応範囲だけでなく、看取り期に発生する介護保険上の加算についても確認が必要です。
介護施設で看取りを行う場合、通常の介護費用に加えて、看取り期の体制やケアに対する加算が発生することがあります。
看取り介護加算は死亡日に近づくほど単位数が高くなる仕組みで、特別養護老人ホームの場合、看取り介護加算は次のように設定されています。
| 期間 | 看取り介護加算Ⅰ | 看取り介護加算Ⅱ |
|---|---|---|
| 死亡日 | 1,280単位 | 1,580単位 |
| 死亡日前日と前々日 | 680単位 | 780単位 |
| 死亡日の30日~4日前 | 144単位 | |
| 死亡日の45日~31日前 | 72単位 | |
出典:令和3年度介護報酬改定における改定事項について
看取り介護加算Ⅱは、施設内で看取りに関する研修を定期的に実施するなど、Ⅰよりさらに厳しい体制要件を満たした施設で算定される加算です。
算定には「医師や看護師との24時間連絡体制の確保」などの基準が求められます。
つまり、体制が整っている施設ほど、加算によって利用者の自己負担が多く発生するということです。
なお、医療機関や訪問診療が関わる場合には、医療保険上の看取りに関する加算が別途発生することもあります。
看取り介護加算だけでなく、差額ベッド代や消耗品などの実費負担額、高額療養費制度の適用可否もあわせて施設に確認しておくと、月々の総額を見積もりやすくなります。
面会の頻度や方法を確認する
面会のしやすさは、終末期を過ごすご本人と家族の精神的な安定に直結する項目です。
面会時間に制限がある施設では、家族が仕事帰りに立ち寄れなかったり、容体が急変した際にすぐ駆けつけられなかったりする事態が起こり得ます。
そこで、面会に関する以下の点を、見学時に確認しておきましょう。
- 面会時間帯に制限があるかどうか
- 家族の付き添い泊が可能かどうか
- 夜間や早朝の面会に対応してもらえるか
面会だけでなく付き添い泊も可能であれば、最期の数日間を本人のそばで過ごし、看取りの瞬間に立ち会える可能性が高まります。
生活環境がご本人に合っているか確認する
終末期を過ごす場所の生活環境は、本人の精神的な安定と、残された時間の質を左右します。
長期間暮らす場所になるからこそ、プライバシーが確保された個室の有無や、居室内の環境をどこまで自分好みに整えられるかの確認が欠かせません。
例えば、自宅で使っていた寝具や写真、小物を持ち込める施設であれば、入居後も自宅に近い空間を再現でき、環境の変化による不安や混乱を和らげられます。
見学の際は、「どの程度の私物を持ち込めるか」「家具の配置を変えられるか」を具体的に質問し、本人が落ち着ける環境を確保できるかどうかを見極めておきましょう。
ターミナルケアや看取りで家族が準備すべきこと

ターミナルケアや看取りの開始前に、家族が準備すべきことは以下の4点です。
いずれも、容体が急変してからでは冷静に判断しにくい内容です。
後悔を減らすためにも、ご本人の意識がはっきりしている段階で進めておきましょう。
ご本人の希望を確認・共有する
最初に準備すべきは、ご本人が「最期をどう迎えたいと考えているか」を確認し、家族全員で共有することです。
ご本人の意思が不明確なまま容体が急変すると、家族が代理判断を迫られ、「本当にこれで良かったのか」という後悔や家族間の意見対立につながりかねません。
厚生労働省の調査では、「病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に死に至ると考えたとき、最期をどこで迎えたいか」という問いに対し、大多数の人が何らかの希望を持っているという結果が出ています。
| 場所 | 割合 |
|---|---|
| 自宅 | 43.8% |
| 医療機関 | 41.6% |
| 介護施設 | 10.0% |
| 無回答 | 4.6% |
出典:人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査報告書|厚生労働省
この結果からも、多くの人が「最期をどこで迎えたいか」について何らかの希望を持っていることがうかがえます。
希望どおりの「最期の時」を迎えるために、以下の点をご本人に確認しておきましょう。
- どのような最期を迎えたいか
- 最期に向かう時期をどこで過ごしたいか
- どの程度の医療的介入を望むか
確認した内容は、リビング・ウィル(生前意思)やエンディングノートに残しておくことをおすすめします。
書面を家族だけでなく主治医やケアマネジャーとも共有しておくと、容体が急変したときも本人の意思に沿った対応が可能になります。
延命治療の方針を家族で話し合う
ターミナルケアや看取りを考える際は、延命治療をどこまで希望するかについて、本人の意思を中心に家族で話し合っておくことが大切です。
容体が急変したときに、以下のような措置を行うかどうかは、その場で判断を迫られることもあります。
- 心肺蘇生
- 点滴での栄養補給
- 人工呼吸器
- 胃ろう
事前にご本人の希望を確認しておくことで、ご家族が迷いや後悔を抱えにくくなります。
主治医やケアマネジャーに相談する内容を整理する
主治医やケアマネジャーへの相談前に伝えるべき内容を整理しておくと、限られた面談時間でもケアプランに家族の希望が反映されやすくなります。
ケアプランは、本人の容体の変化に応じて修正していくものです。
家族側が「何をどこまで希望するか」を具体的に言語化しておかないと、担当者も判断材料が不足し、対応が後手に回りかねません。
相談時に整理しておきたい内容は、以下のとおりです。
- ケアプランの見直し内容
- 費用軽減策(高額療養費制度など)の適用可否
- 施設に求める配慮事項
- 看取り介護計画の策定依頼
- 緊急時の連絡先と対応フロー
これらを一覧にしてメモや書面にまとめておくと、相談の場で伝え漏れが起きにくく、担当者も次のアクションに移りやすくなります。
家族自身の心身のケアも考えておく
ターミナルケアや看取りの期間はご本人へのケアに意識が集中しがちですが、支える家族自身の心身ケアも事前に準備すべき項目です。
終末期の介護は、睡眠不足や精神的な緊張が長期間続く傾向があるため、家族が体調を崩すと、ご本人へのケア体制そのものが維持できなくなるリスクがあります。
ホスピスや一部の介護施設では、死別後のグリーフケアを家族向けに提供しており、必要に応じて心理士や専門機関を紹介してもらうことも可能です。
施設選びの段階で「家族への支援体制」も確認しておくと、看取り後の精神的な負担を家族だけで抱え込まずに済む環境を事前に整えられます。
ターミナルケアと看取りに関するよくある質問と回答
ターミナルケアと看取りに関して、よく寄せられる質問をまとめました。
費用面の疑問を中心に取り上げていますので、施設選びや制度利用の判断材料としてお役立てください。
ターミナル期や看取り期は余命どのくらいから始まりますか?
ターミナル期(終末期)とは病気の治癒が難しく、余命が数週間から数か月程度と考えられる時期を指して使われることが多い言葉です。
ただし、明確な期間が一律に定められているわけではなく、疾患や全身状態によって判断されます。
看取り期は、ターミナル期の中でもさらに死が近づいた段階で、余命が数日から数週間程度と見込まれる時期を指すことが一般的です。
ターミナルケア加算と看取り加算の違いは何ですか?
ターミナルケア加算と看取り介護加算の違いは、大きく「ケアの性質」と「適用される保険」の2点です。
ターミナルケア加算は、終末期における医療的な支援を評価する加算です。
介護保険では訪問看護などで算定される場合があり、医療保険では在宅医療や訪問看護に関連するターミナルケアの評価が設けられています。
一方、看取り介護加算は生活支援的な側面が中心であり、一定の要件を満たす介護施設で看取り介護を行った場合に、介護保険で算定される仕組みです。
なお、同じ利用者に対して複数の加算が関係する場合でも、算定できるかどうかはサービス種別・保険の種類・算定主体・看取りの場所によって異なります。
実際の自己負担額は、施設や訪問看護ステーション、医療機関に確認しましょう。
1日あたりのターミナルケア加算額はいくらですか?
ターミナルケア加算は「1日あたり」の単位で計算されるものではなく、「死亡した月に1回」または「死亡日までの一定期間の診療」に対して一括で算定される仕組みです。
算定の要件は、死亡日および死亡日前14日以内の計15日間に、2回以上の往診や訪問診療、または退院時共同指導を実施した場合となっています。
加算額の目安は以下のとおりです。
| 項目 | 介護保険 | 医療保険 |
|---|---|---|
| 内容 | 訪問看護などにおけるターミナルケア加算 | 医師の往診・訪問診療における在宅ターミナルケア加算 |
| 単位・点数 | 2,500単位 | 3,500点〜6,500点 |
| 金額 | 25,000円相当 | 35,000円〜65,000円相当 |
※出典:令和6年度診療報酬改定の概要【在宅(在宅医療、訪問看護)】
※出典:令和6年度介護報酬改定における改定事項について
なお、利用者の自己負担は、介護保険では原則1〜3割、医療保険では年齢や所得、制度の適用状況によって異なります。
施設選びに迷った際は抱え込まずにCPA-Consultingへご相談を
ターミナルケアは終末期に医療的処置を含めて症状緩和を行うケアであり、看取りは、心身の苦痛に配慮しながら、その人らしく穏やかに最期を迎えられるよう支える過程です。
ただし、施設ごとに看取り対応の方針・医療連携体制・費用が大きく異なるため、条件に合う施設を家族だけで比較するには時間的・精神的な負担が大きいのが現実です。
CPA-Consultingのホスピス施設紹介サービスでは、ご本人の病状・家族の希望・予算をヒアリングし、条件に合う施設を専門家が提案します。
「まだ施設を決める段階ではないが情報を集めたい」という段階からでも、ご相談が可能です。
施設選びに迷った際は家族だけで抱え込まず、まずはCPA-Consultingへご相談ください。
ご本人にとって穏やかな最期を迎えられる環境を、一緒に見つけていきましょう。
\ご本人にとって最適な施設選びをサポート/