ホスピス、満足度ランキング(当社調べ)Part1・医療依存度の高い入居者への対応
PA-Consultingでは、ホスピス業界で最有力の事業者であるAV社のスケールに関与したメンバーを中心に、ホスピス化コンサルティング事業を実施しております。今回は当社のコンサルタントが中心になり、ホスピス事業者の満足度ランキングを実施いたします。こちらは同じ医療従事者としての満足度ランキングで、目線としては病院や利用者、そのご家族などより深い関与があることを想定しております。
ホスピスランキング(2023年当社調べ)
当社では医療従事者のアンケート(当社調べ)を基に、各ホスピス事業者を、医療に対する対応力、終の棲家として利用者の目線で安心安全に過ごせるか?、事業者としての強靭性を評価したBCP力の3つの軸でランキングしています。
医療に対する対応力(医療依存度の高い入居者への対応)
ホスピスとして日本で知られている業態は、住宅型有料老人ホームをメインとした居住系施設に、訪問看護・訪問介護ステーションを併設して運営されています。通常、お亡くなりになる方が最後の場所として、イメージされている病院での看取りと、何ら変わらない環境にも見えます。しかし、実際には、医師が常駐しておらず、ホスピスの利用者へのケアを看護師が中心となり訪問看護ステーションが主体となって行っております。また、他の介護施設と異なり、訪問介護の役割が看護助手的な役割となり、看護師の指示で介護士がホスピスケアの下支えをします。
医療従事者が選ぶ、ホスピス事業者で、医療への対応力をランキングしたものは、以下となります。
- 第1位 医心館/アンビスホールディングス ☆☆☆
- 第2位 ケアホームこむぎ/Leo Sophia Group ☆☆
- 第3位 ウェルホーム/Medeic;a Consulting Seal ☆
- 第4位 CUCホスピス/CUC
- 第5位 PDハウス/サンウェルズ
- 第6位 ファミリーホスピス/日本ホスピス
- 第7位 夢眠ホーム/夢眠グループ
- ランキング外 ナーシングホーム愛、ナーシングホーム事業者多数・・・
各ホスピスの医療への対応力について、医療従事者のアンケートによれば、特に医療に力を入れているホスピス事業者は、医心館を運営するアンビスホールディングスとなりました。こちらは有名ですね。医療対応についての各項目として、設定された「がん・疼痛管理」への対応、「人工呼吸器」の処置や管理、神経系の難病である「ALS・パーキンソン病」の方の受け入れ可否、そしてホスピス事業者として最も重要な「看取り」対応力の各項目でそれぞれ満点評価が集計されています。医療に困った方を受け入れするためのホスピスで、医師がその医療対応をデザインした医心館と言うのも名前負けしませんね。
ところで、第2位のケアホームこむぎを運営するLeo Sophia Groupですが、こちらは医療法人を母体としたグループが、少し前に介護施設をホスピス事業へ転換しているもので、医療に対する対応力を背景に高レベルな医療対応を展開しています。まだ3施設程度のホスピスの運営ですが、今後が期待される事業者です。
また、3位のウェルホームについても、同じく都内でクリニック網を仕掛ける医療法人グループのMS法人が運営しています。医師のネットワークを活かした医療対応を構築しており、満を持して8月1日に千葉県鎌ケ谷市にウェルホーム鎌ヶ谷を開設しております。
医療対応力は介護施設との一線を画すがどうかが、医療ケアのレベルの高さを分けているようです。ホスピスは外側は介護施設の形態ですが、医療施設としてデザインする事業者と介護施設の延長で医療に対応する事業者、明確に区分ができていない事業者があります。上位の事業者は医療施設としてのデザインを念頭に施設やサービスを構築している点が明確に異なりました。
今回の軸は、医療に対する対応力でしたが、次回以降で、終の棲家として利用者の目線で安心安全に過ごせるか?、事業者としての強靭性を評価したBCP力などのランキングもお知らせします。