【研修②】経理業務の標準化・業務一覧で網羅的に把握した各プロセスを分析可能にする経理業務の3要素の抽出について

【研修②】経理業務の標準化・業務一覧で網羅的に把握した各プロセスを分析可能にする経理業務の3要素の抽出について

 

CPA-Consultingに経理をアウトソーシングし、業務分析の枠組みを導入して経理業務を標準化した会社は、移行、アウトソーシングなしでも、業務の網羅的把握、ナローパスの認識、困難プロセスの把握と平易化などが実施でき、工程表やマニュアルの副産物により、自社で経理業務を復活させて運用ができるのです。

 

経理業務を標準化する際に、インプット・判断や処理の難しさを可視化する業務一覧が、標準化の1丁目1番地と言え、これを整備することが、経理業務を標準化の基本となることについて、前回の研修で述べました。

 

①~⑦で基本的な情報を一覧化するで、業務を管理することを可能にした状態から、標準化への次のSTEPをご案内します。

  • 管理が充分な経理部門における業務把握とは
  • 1.網羅的な業務の把握ができている
  • 2.個別の業務内容の把握ができている
  • 3.締め切りを管理できている

 

経理業務の標準化・業務一覧で網羅的に把握した各プロセスを分析可能にする経理業務の3要素の抽出について

CPA-Consultingでは作成した業務一覧に以下の分析を加えることで、経理業務の3要素の網羅的把握を可能にしています。これは、前回の業務一覧の作成でご説明した業務のナンバリングとプロセスごとの識別により、経理業務が管理された体制に近づいたことで可能となるのですが、ヒアリングした業務概要に基づき、経理業務に精通した公認会計士等や、BPOコンサルタントとして辣腕を振るマネージャーにより、当該プロセスにおけるInput、処理内容、結果の評価(Output)が識別されることにより、業務が丸裸になり、効率的で効果的な経理業務の見える化が達成されます。

 

分析フェーズの業務一覧

 

経理業務の3要素とは?

経理業務の3要素とは?この要素が明らかであれば、プロセスの管理が可能となる業務の骨子とも言えるバイタルな3つの要素、それはInput、処理内容、結果の評価(Output)となります。

 

Input、最も重要で、タイミングや形態について習熟すべき項目

私たちは、多数の経理業務プロジェクトを成功させた経験を基に、最も優先して把握する各経理業務の要素を、嫌というほど叩き込まれています。それは、プロセスのトリガーとなるInput情報であり、これが識別されていない状態で、決算が成功するなど、全く信じられません。受託業務のInputが不明な状況で我々は、必要な情報の最大のものが入手されていない状態と判断します。プロセスの中でも最も重要な情報と言えます。

 

最近会った、受託業務プロジェクトでは、会社様がInput情報を各銀行やカード会社から、BPO側でダウンロードできる定義されていましたが、前日からプロジェクトへ参画したCPA-Consultingでは、このクライアントの思い違いを即座に何回も訂正しました。私たちは経理業務のプロフェッショナルで、ロセスのトリガーとなるInput情報の把握について、疎かにすることはおおよそあり得ないことなのです。

 

Input情報が明確で、受領タイミングや形態が明らかであることから、○○が来ていません。●●の入手がお聞きした内容と違います、と業務開始タイミングでクライアントへ必ず報告ができるため、遅延が最低限でリカバリーが早期に実施されます。

 

処理内容:結局何をするか・大部分は転記や合計など平易であるが、複雑な処理を伴うプロセスの識別が肝要

つづいて、サブタイトルのとおりですが、処理内容は、多くのプロセスが転記や合計など平易なもので構成されていることが通常です。しかし、まずかこれを各プロセスで抜け漏れなく把握します。これにより、経理業務の困難性を高め、引継ぎを困難にし、決算業務を遅延させる「複雑な処理を伴うプロセスの識別」を実施します。複雑な処理を伴うプロセスが経理部門で識別され管理されることで、スプレッドシート統制の実効性などが担保され、経理業務の標準化の課題が認識されます。

 

複雑な処理を伴うプロセスが識別された場合、工程のマニュアル化、処理の切り分け、専門家の活用などの対応策を効果的に企画することが可能となります。経理部長としても、外部の専門家に委託する事やレビューに附すこと、プロセス自体の変更などを検討できることになります。

 

結果の評価(Output)、どうやったら正解か・経理業務のコツてきなもの

3つ目の項目が結果の評価(Output)であり、これは、一言で言うと、Inputの処理結果が何になるか?処理があっていることがどうやったらわかるか?というものです。

 

経理の方はその存在意義的に、あやまった処理を忌避して、正確に処理しようとします。そのため、処理結果が結局何になるかを事前に把握することで、ゴール設定を明確にして業務に臨めることになります。管理側としても、目的に近い結果の評価(Output)を把握することで、業務の意味合いを再点検できます。

 

コツとして重要なのは、試算表のここが元資料のInputと一致する、元帳で繰越がゼロになる、管理表と残高が一致するといった結果の確認についての情報で、これが経理業務のコツともいえるポイントになります。

 

逆に結果の評価が不明瞭な場合、Inputや処理について自信が持てないことになり、検証可能性という意味で経理業務の難易度が上昇してしまいます。また、支払い漏れなど取引先を巻き込んで、処理ミスが把握されてもインシデントでしかありません。極力、経理部門内部で、結果の評価ができるように、結果の評価(Output)を明確に定義して、確認方法まで設計することが経理業務の標準化のコツとも言えます。

 

これらの3要素が抽出された状況が、業務が丸裸になり、効率的で効果的な経理業務の見える化が達成された状況ともいえます。これにより、管理が充分な経理部門における業務把握について、特に2番目の「個別の業務内容の把握ができている」ことが、経理作業にまで紐づいた状態となるのです。


1.網羅的な業務の把握ができている
2.個別の業務内容の把握ができている
3.締め切りを管理できている

 

今回は、経理業務の3要素を抽出することを通じて、経理業務の標準化について、Step2として、業務一覧で網羅的に把握した各プロセスを分析可能にする経理業務の3要素の抽出の方法や識別された情報への対応、経理実務に対応した3要素ごとのポイントを紹介しました。次回は、業務一覧の効用・分析機能による、経理業務の3要素の網羅的把握、工数可視化によるナローパスの把握、難易度分析による困難プロセス識別について、ご案内いたします。

 

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